2023.2.16
酒場ライターのパリッコさんが千葉県の各地をめぐりながら、新しい千葉の名物料理「黒アヒージョ」を、アウトドアで作って食べるシリーズ。第4回は、眼前に広がる海が開放感抜群！ 「東京湾アクアライン」や、遠く対岸に見えるアーバンな風景、季節や天気によっては富士山も望める「きさらづCAMP in MITATE」が舞台。
東京都や神奈川県方面から「東京湾アクアライン」を渡るとたどり着く、千葉県の玄関口のひとつ、木更津市。
海沿いには潮干狩りができる海岸や、千葉県産の海産物を食べることができる食堂なども多数。さらには、「三井アウトレットパーク 木更津」「コストコホールセール 木更津倉庫店」などの巨大ショッピング施設もあり、千葉を代表する観光地のひとつだ。
「きさらづCAMP in MITATE」は、それらのどこからも近く、さらに東京湾アクアラインの木更津金田ICからすぐの場所にあるというアクセスの良さも魅力。
これまで、勝浦朝市や、道の駅など、いかにも千葉らしい施設で食材を調達してきたが、今回はあえて地元の普通のスーパーへ。するとそこにはやっぱりご当地色があって、千葉県産の海産物や野菜類が気軽に手に入るのだった。
特に、見るからに新鮮な地物のサザエが、刺身の状態で売られているのにはテンションが上がった。サザエのアヒージョ、うん、よさそうだ。
というわけで、アヒージョ用に買ってきた食材はこちら。
・サザエ刺身
・マシュルーム
・パセリ
今回はシンプルに、サザエとマッシュルームの旨味の相乗効果を狙いつつ、パセリで青いアクセントを加えようという狙い。
この日は海から時折強い風が吹き、そこに潮の香りが混ざる。まぁ、クッカーをのせるポケットストーブに専用の風防をつければ固形燃料の火は消えず、問題なく調理ができる程度なので、むしろ雰囲気があっていい。
さっそくアヒージョ作りにかかるが、買ってきた食材をあらためて見て思った。こりゃあ、まな板やナイフもいらないなと。特に、サザエがあらかじめカットされているのがありがたい。マッシュルームやパセリは、手でちぎって入れてしまえばいいだろう。
まずはマッシュルームとパセリをクッカーに詰め、火をつけてオリーブオイルを注ぐ。全体がぐつぐつとしだしたら、サザエをのせてゆく。せっかくの新鮮なサザエだから、あまり火を通しすぎて身が硬くなってしまってはもったいない。
サザエにおおよそ火が通ったら、おなじみの醤油で味つけ。
立ち上る湯気に混ざるサザエの香りと、海風の香り。海辺のアヒージョ、楽しいな。
オイルと醤油をまとったサザエの、ぷりぷり、こりこりとした食感がたまらない。狙いどおり、マッシュルームとの相乗効果もばっちりで、そこに意外なほどにパセリのアクセントが効いている。新鮮ゆえか香りが強く、いつもの添え物のイメージではなく、パセリがきちんと、主役のひとつになっている。
バゲットにのせて食べ、あらためてその小粋な味わいにうっとり。これは大人のアヒージョだ。いつもどおりのビールや缶チューハイにも合うけれど、ここは赤ワインだったかもしれないな。新鮮なサザエが手に入ったら、また家で作ってみよう。
きさらづCAMP in MITATE
住所
千葉県木更津市中島４４１６
アクセス
（電車で）JR 内房線木更津駅からタクシーで１５分
（車で）木更津金田インターから５分
きさらづCAMP ORGANIC FIELD in みたて ～海越しに夕焼けが望める絶景キャンプ～
